Jupyterのカタカナ転記はジュピター


結論

カタカナ転記は「ジュピター」。以上。

個人的に「じゅぱいたあ」に固執するのは構わないが、他人に強要したり、他人が「ジュピター」と言っているのを「訂正」すべきではない。
Stack OverflowだったかRedditだったか、そこでもやはり「joo-pie-terだろ?」みたいな英語での投稿を見た記憶がある。
しかし、アーキテクトの読み方を差し置いて「じゅぱいたあ」と読むべし/転記すべしとするなら、その根拠を明確にしたほうが良いと思う。

調査状況

後述のとおり、2015年と2016年にアーキテクトの人がjupiterと発音している動画が見つかった。自分がジュピターとカタカナ転記する根拠はそれらの動画である。

カタカナ転記の方法とは別に、「当初じゅぱいたあだったのにやむを得ずジュピター」になったという説を唱える人がいる。この手の主張には「いつ」「だれが」という重要な2点の検証が必要である。「当初とはいつのことか?」「(当初)そのように言っていたのは誰か?」について確認したほうが良い。もしその人が明確な説明をしない場合は、根拠のない仮説を事実であるかのように主張している可能性がある。
自分は「元々じゅぱいたあ」派の存在を知ってから調査を続けているが、まだそれを裏付ける資料を見つけることができていない。その一方で、上のような質問に明確に答えず、最終的に「元々じゅぱいたーというのは元々じゅぱいたあだからである」的な文章で「回答」している人を観測した(ソースは当面の間明示しないので各自見つけてください)。

よくある質問

Julia + Python + Rだから「じゅぱいたあ」

アーキテクトがjupiterと読んでいる現状を考慮すると、3言語の合成というJupyterの成り立ちは、「じゅぱいたあ」と読むべしという主張を強化しない。
例えば、sci-fiはサイファイが一般的で、それがscience + fictionだから「さいふぃ」と読むべし、とはならないのと似ている(個人的にどう発音しようが自由)。似ているが、こういった例え話はあまり意味がないし例外(?)はいくらでも出てくるだろうから、「アーキテクトがjupiterと言ってるから俺はジュピターと言う」でオシマイ。

アーキテクトに向かって「3言語の合成だからじゅぱいたあと読め!」と強要する度胸は自分にはないので、おとなしく「ジュピター」と読みたい。

じゃあPythonはピソン

Jupyterはジュピターであり同時にPythonはパイソン。混同する必要はない。sci-fiがサイファイでありfictionはフィクションであって「ふぁいくしょん」ではない。混同する必要はない。

動画を確認したい

ご自身で探しましょう(GGRKS)。YouTubeには複数あり、例えば「Brian Granger: All About Jupyter」(2015)とか、「PLOTCON 2016: Fernando Perez, The architecture of Jupyter」(2016)とか。

動画を見たけどジュピターと聞こえなかった

思い込みでそうなることはよくあるので心配無用。例えば「フランスではマクドと言う」も同様で、動画を見るとあれは2音節で「マッkドゥ」「マッkド」に近い(自分にはそう聞こえた)。3モーラで2拍目にアクセントがある「マクド」とは少しも似ていない。「フランスではマクドと言う」と思い込めばそのように聞こえてしまうだけである。事実として「そう発音する」ということと、「そのように聞こえる」というのは違うので注意されたし。

その他

cronを「クーロン」とか、bulletを「バレット」とか、toeを「トゥ」とか、そういう気の毒な転記を先に改めたほうが良い。paginationを「ページネーション」というのもちょっと気になる。generativeはGoogleやAmazonは「ジェネレーティブ」だけど、自分調べではジェネラティブがより一般的だし1文字節約できる。Microsoftはジェネラティブだったか。

時代はフルサス

 

Specialized Stumpjumper EVO


時代はフルサスということで、Café RoubaixのSLAPPでおなじみのSpecializedがセールをやっていたStumpjumper EVOを購入。

大半のパーツをStanton Bikes Switch9erから移植したので、現状Sw9erはフレーム単体の状態。置き場所もないのでやむを得ない。

今回新たに購入したのは以下の通り。

  • サスペンションフォーク
    160mm対応なので。MRP Ribbonはスペーサーの入れ替えで160mmにできるとメーカーから回答をもらったけど、5年近く前のものを今更..という気分の問題。
    ブツは玄武で購入。Google等での評判はイマイチだけど、今回の購入に際しては(こちらが色々と話を合わせたこともあってか)ごく普通の接客だった。
  • ドロッパーポスト
    Wiggleで購入。高さを変えるために何度もボルトを緩めたり締めたりするとフレームが痛むのではないかと心配で、やむを得ず導入。このために400gくらい重くなった。
  • ステム
    銀色のHopeハブに合わせた見た目で。
  • ハブ
    108ノッチのPro 5が出たということで。「ハブから自転車が生えた」とソーシャルネットワークのコメントには書いたが、実際の順序は逆。
  • サドル
    黒っぽいフレームなので、黒いサドルを。I-Beamの黒はある。
  • フェンダー
    リアのリンク周辺を保護する目的で装着している。
  • スポーク
    ハブを変更して一部流用が利かなくなったため。
14kgを少し超えるくらい。ドロッパーを入れたにしては意外と軽かった。セール品とはいえスペ社では最上位製品なので軽量なのだろう。

リアアクスルの頭部座面に一部真鍮を使っているとか、サスペンションのベアリングが工業規格であるとか、大手メーカーの良さを感じることができる。あと、RDハンガーがUDHであるのも良い。メーカーの在庫維持に期待する必要がなく、もしSRAMの電動無線Eagleを使うこともできる(自分としてはシマノがSRAMをパクってもっと良いものを出してくれることを信じているけど)。
また、他社が猛烈にべらぼうな価格で販売している中、大手が適正価格で通販でも販売しているというのは、DIY野郎にとっては大変ありがたい。Café RoubaixのSLAPPでおなじみのSpecializedだけど、「とりあえずまともなフルサスで見た目が気に入ればメーカーは何でも良い」という自分の方針に適合している。

自分が買ったのはS4サイズ。2023-05-16時点でまだ2本残っているし、日本での売れ筋であるS3は9本。大量に仕入れすぎたのか、新しいモデルが出てもまだセール中なので、気になる人は是非。「スペかぶり」が発生するかもしれんけど、そこはパーツの選択でどうにかなるだろう。

とまあ、製品としては色々と優れた点が多いこのフレームだけど、「Stumpjumper」の発祥やCafé RoubaixのSLAPPもあり、肯定的な思い入れはこれからも持つことはないと思う。

Hope Pro 5が発売されたので早速購入・組み立て

 
Pro 4が出たとき、Hopeに「センターロックマウントのMTB用ハブを作らないのか?」と聞いたところ、その予定はないとの回答だった。ロード用にはあるのになぜ?と思ったがそれ以上は要望を出すこともなく、DT Swiss 350を買ったのでそれ以降、Pro 4のことは忘れていた。

そして、2023年に発売されたPro 5でついにセンターロック対応のハブがカタログに。センターロックはシマノの独自規格で、せっかく業界で合意した(と思う)6穴規格に混乱をもたらすものみたいだけど、自分の好みはこっちなので、今後もセンターロック一筋で行こうと思う。

108ノッチになったリアハブの音はこんな感じ。

Pro 2 EVOのような爆音ではない。街中を走っていると気づいてもらえなさそうな感じではある。

Hopeが主張するようにシールの抵抗が減り、以前より長く空転している印象。過去動画と比較するとだいたい最後の10秒くらい、空転時間が伸びた感じ(条件が違うので正確な比較ではない)。定量的な評価ではないが、数10回空転させた限り、ここ10年でもっとも抵抗の少ないリアハブであるという印象。

表面の仕上げは予想していたよりアルミの艶が目立って好ましい。表面保護なしのポリッシュが最も美しいけど、アルミ合金ではすぐに曇ってしまうのでこれくらいが最善だと思う。

メンテナンスの際、シールの取り付けに専用工具が不要になった点が大きい。Pro 4では専用工具なしではまともに取り付けできなかったので。

ただ、カセットを取り付けた際にエンドキャップがだいぶ飛び出しているため、ロックリング工具のかかりが甘くなる。このせいで数回ロックリングの内側をなめた。仕方ないので芯棒付きの工具を発注した。

暫定措置としてXTR様(CS-M9101)に付属する1mmのスペーサー(Y1X400300)を適用したところいい感じになった。DT SWISS 350では全く問題なかったので、Hopeの設計が間違っていると思われる(フリーハブボディ長すぎ)。

定規を当てて計測したところ、MSボディそのものには問題がなく、エンドキャップの形状が間違っていることが判明。段差に引っかかって工具が奥まで入らない。こんなのテストすりゃすぐに分かるだろうに(たぶん昔からこの形状)。

多分、TL-LR15みたいな芯棒付きの工具しか使ってないんだろう(TL-LR15でも奥まで入らないが工具の傾きを減らせる)。ディーラーズマニュアルを熟読し、シマノが指示するカセット取り付けに必要な工具を漏れなく使用して互換性を検証してほしかった。

対策としては、TL-LR15を使用し、工具がズレないよう慎重に作業をする。ラチェットレンチに対応しているTL-LR10はシマノのディーラーズマニュアルに記載があるが、このHopeのイカれたエンドキャップ形状に適合しないので使用しないこと。幸い、捨てたと思ってたTL-LR15が発掘されたのでモンキーレンチと組み合わせる定番の方法で対応した。

せっかくなので、購入したショップに情報共有を依頼しておいた(余計なお世話かもしれないので、可能なら、みたいな文脈で)。

新しいスラムのX0は1,600米ドルで41^^ 29万円

スラムの新しいコンポの基本セット(X0 Eagle AXS Transmission Groupset:GS-X0-E-D1)、定価は1,600米ドルで、日本では41 29万円

日本ではちょっとお高いけど日本のカス市場は無視

なんだかよく分からんけど、2023-04-27時点で価格が違っているので訂正。単に見間違えたか、変更したか。いずれにしても不正確な情報は放置できないので修正しておく。
もともとのびっくり価格はサイスポの記事で(X0はPower Meterなしのものと思われる説明にパワーメーター付きのタイトル)、今も価格はそのまま残っている。紙じゃないので容易に訂正できると思うけどなぜか未だに放置。

この方のTweetによると、自分が見たものはやはり幻ではなく、あたおか価格の見直しを行ったようだ。

価格について、自分の観測範囲では批判的なものが多く、おま国規制に対する憤りも見られた。1,600米ドルという希望小売価格は、北米ではシマノXTR様よりちょっと高いくらの価格のようだ(Jenson USA等で確認)。

スラムとしては、規模の小さい日本のMTB市場は注目に値しないので、価格は代理店任せになるだろう。嫌なら買わなければ良い、みたいな。日本での価格をスラムに報告しても良いだろうけど、そのようなものはスラムから無視されるか、回答があったとしても、「代理店が現地の事情を考慮して決めているので、当社はそれに対して指示等を行うことはない」みたいなものになるはず。まあ、最近は翻訳ツールが充実してるので、我慢ならないと思った人は是非スラムへ(窓口不明だけど)。

とはいえ、この国内価格によってシマノは価格競争をする意味が全く無いので、例えば、CN-M9100が1万5千円となったとしても、100ドルのCN-TTYP-X0-A1が2万4千円 1万8千円なので「スラムより安いからいいじゃん」的な感じになる。なので、スラムは高いから買わない、シマノを買う、という単純な話でもない。アメリカでのXTR様チェーンCN-M9100 (126L)の定価は$68.99なのでX0よりだいぶ安い。

日本のMTB市場(規模)がハナクソというのはシマノから見ても当然同じなので、この傾向が続けば、価格を上げる方向の「価格競争」が続き、いずれごく一部のお大尽な人たちとその家族だけが楽しむ遊びになりそう。自分にとっては所詮気晴らしの一部なので、そんな感じになってもちょっと残念なだけで困りはしない。自転車販売店はどうなんだろう?自分にはよくわからないので、せいぜい頑張ってください。

UDHについて

それはそうと、この長い記事はなかなか読み応えがあった。スラムが各完成車メーカーにRDハンガーの規格「UDH」の採用を働きかけ、2019年から本格的に導入開始、最近は対応製品がかなり増えた。地ならしを済ませたところで、満を持して今回の新型を発表。
過去製品との互換性はほぼなく、また、UDH対応が前提なので未対応のフレームでは使えない。詳しくはリンク先記事にある「The Trojan Hanger」の段を参照のこと。シマノには「ダイレクトマウント」というのがあるようだけど、MTBではほとんど採用が進んでない気がする。

斜めになってるケージについて

★★★★★★
「ゲージ」じゃないので、「ゲージ」と書いて未だに気付いてない人はいい加減直してください。
★★★★★
これはシマノ12sRDでも同じ。海外YouTuberが気づいたのを自分でも確かめた。SRAMの場合はハンガーがないので、曲がっているかどうかの判定は今までとは違う。曲がった場合に今まではハンガーを交換すれば良かったのが、これからはフレームを交換するかRDの一部を交換するかのどちらかになる。設計上は、アクスルに負荷がかかることになっているようなので(要出典)、派手にぶつけた際にフレームがブチ壊れることはないとされる。

シマノ新型フリーハブボディがサードパーティーからちっとも発売されない理由

シマノ12sが発売されてからしばらく経ち、先週8100XT/7100SLXが発表されたが、先日の問題で分かったとおり、少なくとも日本国内で9100XTRを使っているユーザーがほとんどいない
大阪本社の火災等、理由はいくつもあると思うが、一番の原因は、サードパーティーメーカーによる新型フリーハブボディの製造が進んでいない点だろう。

2019.06.02 時点で、Microspline 対応単体ハブを販売しているのは DTとi9だけ。日本で(も?)異常な人気のある Chris King や Hadley にもない。
完組メーカーの Mavic は、Microspline ボディ付きホイールを売っている。ITS-4 用の Microspline ボディって供給されるのかな?多分ダメだろうな..。

これに関連して、Hope が 05.31に、 "What's happening with Microspline" という見出の投稿を行った。
これによると、新型フリーハブボディの発表後から、Hope はシマノと協議を続けてきたが、シマノからの回答は

  1. Microsplineのライセンス認証はOEMハブメーカーにしか与えない
  2. ハブはバイクメーカーの名前で販売していること
  3. アフターマーケットのハブメーカーにはライセンシングを行わない
だったそうだ。憤懣やるかたなし、といった心情を感じられるが、まともな企業の投稿なんで、非常に押さえた表現になっていた。


DT はホイール・ハブ・スポーク・ニップルメーカーであり、各社へOEM供給もしている。Industry Nine はちょっとよく分からないけど、該当するんだろう。そもそも DT は今回の新型フリーハブボディの開発に際して協業したから、自動的に OK になるんだろう。Mavic の OEM 先ってどこだっけ?

てことで、シマノ12sを使うためには、シマノまたは DT ・ i9 のハブを買って組み立てる、3社または Mavic の完組を買う、あるいは DT / i9 が OEM 供給している完組を買う、という限られた手段をとるしかない。裏技として、XD ドライバを使ってカセットだけ Eagle 12s にするとか(HGを使うNX/SXは知らん)。

業界に無関係な私には、シマノが何をやりたいのかよく分からない。規格はオープンにして、コンポーネントを売れるようにするのが普通だと思ったんだが、今回は違うようだ。IBM の PC/AT 方式じゃなくて、Apple の Mac みたいな方向へ進むのか?売れすぎると Sram が潰れちゃうから?

XD ドライバに乗せるシマノ互換カセットがそのうち出てくるかもね。


Singletrack Magazine にも同様の記事が。
そして pinkbike にも

これによると、DT, i9, Mavic, Newmen が公式にライセンスされ、White Industries はスプライン減で特許回避を行ったそうである。
また、記事の内容からは、シマノと仲の良い(=シマノパーツを付けた完成車をたくさん売る)メーカーとそのOEM元にしかライセンスしていないとも解釈出来る。

せめてブレーキホースだけでも外装に

とにかくホース/ケーブルの内装にうんざりしているので、このたびようやく外装化を完了。Jagwire ブランドで出ている Stick-On Guides をトップチューブに、よく分からんメーカー(AliExpress でみつけた Problem Solvers のパチモン)のケーブルガイドをチェーンステーに貼り付け。

チェーンステーの方は回転部分が近いこともあり、念のためタイラップで補強。

これで1日長瀞ツアーを走ったが、特に問題なし。転倒したり何かに引っかけたりしてCクリップが外れたとき、トップチューブのマウントにはタイラップでの代用がきかないのが唯一の難点。予備クリップは携帯しよう。

余談だが、ツアー終盤でRDのスタビライザーが無効になった。後ろの方からやたらとパチャパチャ音がすると思っていたら、チェーンがチェーンステーを叩いていた音だった。

スタビライザー死んだと思い、帰宅して確認すると、カムユニットのボルトが限界近くまで緩んでいることを確認。
今までZee(RD-M640-SS)とXT(RD-M8000)を使ってこのようなことはなかったのだが、今回はBR-M985と同じく初物。また当たりを引いたのかも知れない。

翌日シマノに連絡したが、未だ使っているユーザーが少いために事例もなく対処方法が分からないとのことだった。一旦低強度緩み止めを塗布して様子見、再発したらシマノ送りにすることにした。

CushCore はインストールが大変だけどやり方はある

タイヤインサートをいくつか試していて、最難関と言われる CushCore にも挑戦してみた。

公式手順に従ってやってみたが、自分には合わないやり方で、リムもタイヤも大分傷んでしまった。

最後に試したのがこれ。

私なりのCUSHCOREの取付方法

タスサイクル殿が公開している記事で、要約すると以下の通り。

  1. インサートなしでタイヤをはめ、空気を充填してビードを上げる
  2. 片側だけビードを外し、CushCore をリムにはめる
  3. 再度ビードをはめ直す
1 が出来るタイヤだとこの手順は効果的。ビードをはめる際にはタイヤレバーは不要。先日、タイヤインサートなしで Nobby Nic 2.6in のビード上げに悪戦苦闘して諦めた経緯があって、そうすると 1 で躓いてコレデオシマイになりそうな不安はあるが。

と思ったが、チューブ入れてビード上げる、片側だけ外してチューブ抜く、から2につなげればOKだった。

ちなみに、作業前の折りクセ取りとうはやってない。紙のスリーブを外して円形にし、そのまま作業開始。引っ張って伸ばすとか、そういうことをするとリムへの密着度が下がる(気がする)んでやらない。やらなくてもリムへセットすることは可能だし。

後日、この「タスサイクル・メソッド」を用い、内幅30mmリムと2.6inタイヤの組み合わせで CushCore をインストール、所要時間10分程度だった。タイヤレバーを使わないからリムにもタイヤにも優しい、そして確実で速い。

これから XTR様 9100 を買う予定の人へのまとめ

  1. RDのケージは曲がってるが不具合ではない
    慌てて店に持ち込むのはやめよう。
    980世代で頻発した「キャリパーのピストンからお漏らし」障害に関して、マウントのフェーシングを勧めた自称「プロショップ」があった。そのような店に頼んだりすると、正常なハンガーを誤った方向へ曲げられてひどい結果になると思われる。こういう店は害しかないので営業停止が適当。
  2. シフターのリリースレバーが恐ろしく固いが不具合ではない
    「皆さんのご意見を取り入れました」の結果がこれ。
  3. 「Low スペーサー」はペラペラの透明プラスチック部品
    老眼にはつらい。カセットを外した際になくさないように!
    ペラ1マニュアルとペラペラスペーサーが入っている透明袋
  4. クイックリンクの内幅が狭いため他社製チェーンリングでは相性問題の可能性あり
    Sram PowerLock で代用可能。
  5. SISの調整はローから7~5枚目で行う
    9s時代から11sまではトップから2段目で行っていた。これでやると51Tでクランクを逆回転するとチェーン落ち。正しい方法だと何回転でもOK。この点は Eagle を超えた!
  6. Scylence ハブは発売しない。待ってても無駄なので諦めよう。
    Update: What's Going On With Shimano's New XTR Group?
    We have indeed had to go back to the drawing board on the design of Scylence - this one isn’t just a production issue. 
    Scylence は一旦御破算にして設計からやり直すと。9000系の頃に発売中止にしてようやく9100系で出すと思ったらやっぱりダメだったってのはかなり深刻では?
    試乗車のリアホイールを空転させたところだと、非接触の割に回転が重いな、という印象を受けた。技術的な問題であればシマノなら解決できそうだけど。
    まあ、次に期待だ!
  7. トップ10Tの取り付けに要注意
    MICRO SPLINEは、アルミ3枚+チタン5枚をスパイダーアームでリベット止めした塊に、鋼4枚のギアをはめ込む構造であるが、トップ10Tは2枚目の12Tに嵌合する。このため、12Tに対して平行でない状態でもロックリングを取り付けることが可能で、そのまま締め込んでいくと10Tの突起が容易に損壊する。突起1つくらいなら走行に多分問題ないんだけど(3月ほど実績あり)、ショップで取り付けてもらった際は自分で確認しておこう。
    Sram XD だと、切削11枚に50Tが圧着してあるんでこういうこともなく、非常に簡単だったんだけど。10回ほど脱着したところでは、XDの方が作業性が良いと感じた。

The hanger is not bent!

I also noticed the bent of the derailleur cage but this seems intentional. A video of LoveMTB is always informative.👍👍


The red line is straight down from one gear and the green line shows the angle of the tension pulley. At first sight, you may suppose that the hanger is bent or the cage is broken. But this is correct. I couldn't find any information about this on the Dealer's Manual(DM-MARD001-00) so far.

シマノ XTR 9100 には提灯記事がいっぱい

★インフルエンザウイルスA型に感染した人間が書いています(といってもブログ経由でインフルエンザに感染するわけないが)。

ということで、12sになったXTR様をテスト。

シマノ純正ハブの出荷遅れ、互換フリーハブボディが2019年1月時点でi9とDTしかなく、i9は国内26,100円という強烈な価格設定、DTは日本では大変な不人気なため使っている人見たことがない、といった状況の現在。
i9 の現地価格は、爪・スプリング付きがUSD205、なしが145。いずれにしても高すぎる。DT の EUR50.41の2倍を超える価格は、自分には受け入れられない。まあ、高いものは維持費も高いということで。

DTの350/240用Microsplineフリーハブボディは、ドイツから送料込みで7,000円未満という妥当な価格なので、現時点では Microspline への最短距離であろう。DT の Microspline が XD より安いのは、シマノと協業したせいか?
日本国内で一般ユーザーによる XTR 9100系の導入事例がほとんどないのはここら辺の事情が影響しているものと思われる。

9000系で導入されたリリースレバーへの不適切な抵抗は、9100系でダウンシフトレバーにも適用された。そのため、例えば急な登り返しで軽いギアに変更したい場合でも、今までより余計に力を入れてレバー操作を行う必要があり、末端の筋肉が不必要に疲労しそうである。

また、リリースレバーの2段目は、繊細さを知らぬゴリラのような馬鹿力人間向けに設計されているようで、押せば命の泉湧くくらいの決意で親指を押し込まないと容易には変速しない。「もうマルチリリースなんて9200で廃止!」みたいな意気込みを感じるくらい固いが気のせいか?

シフティング全体の印象は曖昧。Sram Eagle はパチパチと明快に決まるが、XTR 9100 はモソモソと不明瞭にシフトする。

Sram のシフトレバーは過去のシマノより重い。しかしそれはスプリングが重い感じであり、今のシマノのような不快な摩擦抵抗のような重さではない。せっかく良いワイヤーがついていても、こういう不適切な抵抗のために台無し。
この辺の設計には一貫性があり、SramはRDのチェーン落ちにもスプリングで、シマノは摩擦抵抗で対策を講じている。

RDのオン/オフスイッチは面倒くさいしレバーの形状がダサいが、オンにした際の安定度はシマノの方が上。後輪を頻繁に脱着しない人が使うのなら、強いスタビライザーがついているシマノのRDの方が良いだろう。

余談だが、CS-M9100-12は、「Lowスペーサー」というものを最初にフリーハブボディに取り付けることが指示されている。しかし、11sでたまにハブメーカーが指定するようなアルミスペーサーとは異なり、これはプラスチック製で透明な厚さ0.5mm未満くらいのペラペラな部品である(品番:Y1X401500)。
これなしでもカセットのガタつきはないし、海外の掲示板では320km(200mi)位走って何の問題もない、みたいな投稿があったり。公差是正のためのものなのか?

うっかり紛失してしまいそうだが、摩耗した際にはこれを交換するだけで済むのは良い点か。Sram の XG-1295 かなんかだと、トップ裏に樹脂製のパーツが埋め込んであり、これは交換不可。

ペラ1の取って付けたような説明書きがビニール袋に入っていて、それに同梱されているもんだから最初はどこにそんなパーツがあるのかさっぱり分からなかった。
そこで例によって検索してみたところ、mtbrのフォーラムが見つかり、
See that very thin clear plastic thing inside the packet... that's the piece your looking for
という投稿でようやくどう言ったものか理解することが出来た。

シマノはクランクセット/チェーンリングの出荷も遅れていて、今はサードパーティーのクランクと組み合わせている人も多そう。こういう問題があったようだけど、Hope のクランクとBoostチェーンリングでは問題なかった。
とはいえ、歯が摩耗しているからたまたまうまくいったと思った方が良さそう。変速して噛み合わせが変わると、下側部分でチェーン離れが悪い歯があるので、新品チェーンリングではもしかしたら問題が発生するかも知れない。
自分はEagle 12s を使ってたんで PowerLock 12s をいくつも持ってるから、同じ問題が発生しても同じ方法で解決出来ただろう。
PowerLock と異なり、クイックリンク部分は他の部分とほとんど変わらない。PowerLock は大ぶりで、チェーンの余分な油を拭き取る際、手に伝わる感触でそこが PowerLock なのかすぐに分かる位だった。

ちなみに、取り付ける際に工具は使用していない。Sram 方式で、リンクを上側に持っていき、リアブレーキを掛けつつペダルを踏む、でOK。取り外しはともかく、取り付け時に工具なんて不要。もちろん、きちんとはまってないとリンクが壊れるしチェーンが弾け飛んで色々取り返しのつかない状態になるかも知れない。
とはいえ、工具にも興味があるんで、TL-CN10も入手して試してみよう。

カセットはこんな感じ。51Tから18Tまでがリベット止めで一体。16Tからは12Tまで3枚が単独でボディに嵌合し、10Tは12Tの溝にはめ込んで、最後に専用ロックリングで固定する。
というように、Sram XD のような一体型カセットではないので、16Tからトップまでの歯を所定の位置に合わせる必要があり、スプラインの1部分が他と異なる間隔になっている。
なお、10Tと12Tが不適切な状態で取り付けるとブチ壊れるので注意(ディラーズマニュアル「DM-MACS001-01」p4参照)。
10Tと12Tが噛み合った感触が明確なので、取り付け誤りは稀だと思うけど、酔っ払っていたり寝ぼけていたりすると、16T/14Tのスペーサー忘れとか合わせ技でマヌケなことをしそうな気がする。

箱から出したらグリスでヌチョヌチョ、グリス込みで食い込み防止設計?
ロー側8枚の中心部はこんな感じ。フリーハブボディへは2面で噛み合う。シマノ様は問題ないと仰せではあるが、これで本当に食い込まないの?とやや心配になる設計なので、半年後・1年後の状態をここで再度公開予定。

相変わらず稚拙なのがワイヤーのルーティング。無理な方向へねじ曲がっており、例によってワイヤーのコーティングが毛羽立つ。Sram Eagleはプーリーを利用して自然な形で方向を変えるようになっているのでこういった見苦しい状態にはならない。
これがXT辺りなら、同じような文句を垂れつつ妥協するところだが、XTR様におけるワイヤーの毛羽立ちは絶対に受け入れられない。これはXTR様だ、XTの2倍以上の価格なのに、同様の毛羽立ちになっているとは一体どういうことなのか。XTR様なんだから見た目にもっと気を遣いなさい。

ケージは Eagle のパクリ。写真は載せないが、裏側から見ると劣化Eagleの様相にがっかりする。

同じ12sであるSram Eagle との比較でXTR 9100を見てきたが、価格についてみれば、XTR様の圧倒的勝利である(ただし日本での特殊事情)。
やはりこれは企業規模(生産数)の違いだろうか、スーパーお大尽のXX1は比較する意味がないので、X01を引き合いに出すが、税率8%の定価ベースで4万7千円くらいの差。おまけに、日本国内ではSramコンポを常時20%位の値引きをしている店がない(私が知らないだけかも)ため、実売価格ベースだとさらにその差が開く。
本来であれば、"X02" みたいな、X01 と GX との間に位置するグレードがあると良いのだが、残念なことに、「14万近いプチお大尽X01」か「XTレベルのGX」の二者択一となってしまっている。XTR9100(日本定価)とX01(USA定価)との差はたったの五千円。Geo-blocking 前に購入できた際のX01価格は、約7万5千円(送料・消費税込み)。

残念なことに、Sram の国内価格は非常に高い。上記「14万近いプチお大尽X01」でも、本国では9万6千円くらい。今回はシマノがちょっとこけそうなので大丈夫だろうが、毎回XTが出るたびにXT実売価格でGXをも下回ってシェアを一気に奪われてしまってる気がする。もう少しX01の価格を見直さないの?代理店の規模のせいかもしれないけど、これは非常にもったいない。GXはほぼ同じ価格なので、X01以上のグレードはあまり売れると思ってないんだろうな。

Stanton Bikes Switch9er Ti, latest setup

Stanton Bikes Switch9er Ti, size 18. I replaced the rims, tyres, seatpost, saddle, stem, handlebar, and crankset. Total weight is 12.5kg.
  • Rims
    DT Swiss XM481. I wanted to try wider tyres. Under Stan's Notubes "WideRight" concept, I chose 30mm inner width rims for 65-622 tyres.
  • Tyres
    Schwalbe Hans Dampf for front and Nobby Nic for rear, both 65-622 and Addix Speedgrip. Thanks to APEX reinforcement in the sidewall, I haven't experienced any pinch flat.
  • Seatpost & Saddle
    SDG I-Beam ALLOY MICRO 2014, lighter than Thomson Elite. I know Thomson is the best but the setup of I-Beam seatpost and saddle is lighter.
    Why no dropper post? Because I don't need it. I rode in a few months with Brand-X Ascend II post and I found that dropper didn't give me enough benefit for the weight penalty. Everybody doesn't understand this but it's okay, it's just a matter of preference.
  • Stem & Handlebar
    Race Face Turbine R 35 and Next R 35.
    Renthal bar is good but the colourway doesn't match my taste very much.
    Actually, the stem is Easton(corrupted by Race Face) Haven 35 and the bar is SixC 35. The differences are only the labels.
  • Crankset
    The Rotor R-Hawk looked so nice and I liked it but it started creaking after a few average rides. And it's a bit heavy and supposed to be overpowered for my use.
    Hopetech Crankset is 645g with 30T ring, a bit lighter than the predecessor(711g). I also like the appearance(someone doesn't).
    I don't know why, but the name of the crankset is just "Crankset". It has no special name like "Pro4" or "Tech 3 E4". Hopetech product naming seems to be based on general nouns.

29er は 2.6 位が面白いかも

タイヤ外径がでかくなるし、一旦スタンダードなサイズで行ってみよう、ということで、現在は DT Swiss XM421 に Schwalbe Hans Dampf 2.35 をはめて使っている。
ただ、過去に太めタイヤでなかなかいい感じだった記憶があるので、いつかは2.6in位のタイヤで走ってみたいと思っている。重さと引き換えになるけど。

こんな記事があった。自転車屋かな?

27.5 PLUS TIRE 太いタイヤの新しいスタンダード

「27.5PLUSタイヤのメリット」として「29インチよりもリムが一回り小さく軽いため加速が良い」とあるが、これは残念ながら誤り。

タイヤに応じて適切なサイズのリムを使用する前提で。
  • 27.5plus : 1,620g
    リム:Stan's NoTubes Flow MK3(480g)
    スポーク:DT Swiss Competition(160.8g[273mm x 32])
    タイヤ:Maxxis Minion DHR II Plus(980g)
  • 29:1,450g
    リム:Stan's NoTubes Arch MK3(453g)
    スポーク:DT Swiss Competition(172.6g[293mm x 32])
    タイヤ:Maxxis Minion DHR II(825g)
29er 標準サイズの方が170g位軽い。

それと、「ファットバイクはタイヤ内径が26インチで横幅が4~5インチ」てのはちょっと紛らわしい。内径は559mm。内径26インチ(660mm)だったら29erよりでかくなってしまう。
もっとも、現状「~インチ」てのは実サイズと全然合ってないので、単なる記号的な意味で「26インチ」と言いたいのだろう、と理解してあげるのが親切かつ現実的。
実際、fatbike タイヤなんかで 26 x 4.8 とかいう表記は普通にあるし。

油圧ディスクブレーキとかなんとかかんとか

油圧ディスクブレーキに関する個人的な感想を書いてみる。 輪行に難あり、または輪行は不可能という幻想 自分もVブレーキから移行した当初(2010年頃)はそう思っていたが、実際やってみると慣れの問題で、輪行は油圧ディスクブレーキを忌避するための決定的な要因にならない。 片道で1回と数...