長瀞行ったりナタジゴさん・ヨシ課長に遊んでもらったり大学の友人を連れて行ったりと、今月は珍しく一人で走ることがなかったが、予報が良い方向に変わったので急遽いつものところへ。三脚を背負っているので、トレールヘッドからいきなり訓練場方面へ。一度下ったところを登り直すことがない分、少しだけ楽に走れる。
今回投入したのは、Spank Spike ペダル。クソペダル様がどうしてもお願いを聞き入れてくださらないので、いったんこちらを使ってみることにした。
左側の動きが購入当初から渋く、小さなノイズが発生している。走行時に気づくほどのものではないので、後日分解して確認してみよう。
ペダルレンチをかける隙間がないデザインで、靴がクランクアームに干渉するかと思ったが、踏面がかなり広いおかげで全く問題なかった。特に横方向に広いため、上り下りとも安定感・安心感がかなり上がった。交換パーツも容易に手に入りそうなので、長く使えれば非常に価値のあるペダルになりそう。
どこかの雑誌に「滑り止めプレート」などというでたらめが書いてあったが、そのようなものは付属しない。余分な回転を押さえるためのフリクションシールの意味が分からず勘違いしたのか?仕様を調べるまえに予算が底を突いたか。
いろいろ手間のかかるリムだが、しばらく使ってみるか。独特の形状が災いしてか、リムテープの内部にシーラントが漏洩しやすいようで、走行中にいきなり破裂するんじゃないかとタイヤを外すたびに冷や汗が出る。今のところそういった事例は聞いていないので、単にテープの巻き方が悪いだけだとしておこう。
現時点で、ハンドルバー(Oozy LTD)、リム(Trail 295 Bead Bite)、ペダル(Spike)の3点が Spank 製品でそろった。いずれも超高品質じゃないが、いくつかの部品が同じブランドでそろうのは何となく気持ちがいい。
Bontrager TLR Flash Charger
十分になじんだ Schwalbe Magic Mary を、Spank Trail 295 Bead Bite リムにはめようとしたが全くうまくいかず、素直で使いやすい Maxxis High Roller II EXO と、同じく Minion DHR II を使っている。だが、冬に流通に乗るはずの Nobby Nic Tubelsss Easy はやはり気になる。
ということで、コンプレッサーを物色していたのだが、動画で見る限り騒音が大変なもので、室内で使用するには問題が多すぎと感じた。また、場所も結構取りそうだし、もうリムを換えてしまおうかと思っている。
しかし、急にこのフロアーポンプを思い出したので、急遽ギロッポンのトレックストアで購入。Spank リムではまだ試していないが、Mavic Crossmax SXとStan's Notubes Flow EX では、折り癖の付いた新品の Hans Dampf が一発。数週間前にビードが上がらず諦めた組み合わせだ。これなら、買ったその日にいきなり使うこともできるのでは?
これに気をよくして挑んだ難関の Spank リムであるが、Flow EX で使っていた Magic Mary は問題なく装着できた。しかし、同じ期間使用した Nobby Nic は3回やっていずれも失敗。同じことをして異なる結果が出ると思うのは明らかに誤りなので、きれいに巻けていたポリイミドテープを剥がし、Stan's のイエローテープに交換。すると、嘘のように1回でビードが上がった。ただ、フロントに比べると若干エアリークが多めなので、完璧な状態ではなさそうだ。
追加情報は(あれば)後日。
値段が高めであるため、すべてのTLRユーザーに試してみる価値はある、とはなかなかいえない。失敗したリム+タイヤを持ち込んで試せれば良いのだが、そんなサービスやってる店はあるんだろうか?
でも、製品自体はかなり良くできているし、生産国は安心と信頼の台湾だ。
ヘッドには気圧調整弁がないため、本体の赤いボタンを使用する。
チャージする場合は、赤いレバーを下げ、46回前後ポンピングする。80PSIを越えたあたりから底付き直前の抵抗が大きくなっていくが、さほど大きなものではないので、体重が60kg以上あれば問題なく続けられるだろう。
ゲージは160PSIまで。TLRタイヤを装着する場合、レッドゾーン(およそ11.5BAR)までチャージし、バルブにつないだら一気に解放する。
チャージ中の気圧は当然予備タンク内のものであり、それが160PSIだとしても、タイヤに対して160PSIが充填されるわけではない。Flow EX と Hans Dampf との組み合わせでは、ビードが上がり切った時点でおよそ30PSIを示した。
底面は金属である。板張りの床に直接設置して作業することは勧められない。段ボールを敷くなど養生を行った上で作業すべし。
質量は 2.85kg。Topeak JoeBlow Mountain が1.79kgなので、かなりのヘビー級だ。
pinkbike のレビューに対して、安いコンプレッサーと比較して買う価値がないというコメントが多いが、コンプレッサーを使える環境にいるのならそうすれば良い。論点がずれているので、そういった意見にはあまり意味がないと思う。
コンプレッサーの騒音振動が問題になるとか、置く場所もないといった場合にこのフロアポンプの出番が来る。出先で電源が確保できない場面も想定しているそうだ。
bikeradar のレビューはこちら。評点は 4.5/5.0 と絶賛しており、満点と行っても良いだろう。
ということで、コンプレッサーを物色していたのだが、動画で見る限り騒音が大変なもので、室内で使用するには問題が多すぎと感じた。また、場所も結構取りそうだし、もうリムを換えてしまおうかと思っている。
しかし、急にこのフロアーポンプを思い出したので、急遽ギロッポンのトレックストアで購入。Spank リムではまだ試していないが、Mavic Crossmax SXとStan's Notubes Flow EX では、折り癖の付いた新品の Hans Dampf が一発。数週間前にビードが上がらず諦めた組み合わせだ。これなら、買ったその日にいきなり使うこともできるのでは?
これに気をよくして挑んだ難関の Spank リムであるが、Flow EX で使っていた Magic Mary は問題なく装着できた。しかし、同じ期間使用した Nobby Nic は3回やっていずれも失敗。同じことをして異なる結果が出ると思うのは明らかに誤りなので、きれいに巻けていたポリイミドテープを剥がし、Stan's のイエローテープに交換。すると、嘘のように1回でビードが上がった。ただ、フロントに比べると若干エアリークが多めなので、完璧な状態ではなさそうだ。
追加情報は(あれば)後日。
値段が高めであるため、すべてのTLRユーザーに試してみる価値はある、とはなかなかいえない。失敗したリム+タイヤを持ち込んで試せれば良いのだが、そんなサービスやってる店はあるんだろうか?
でも、製品自体はかなり良くできているし、生産国は安心と信頼の台湾だ。
ヘッドには気圧調整弁がないため、本体の赤いボタンを使用する。
チャージする場合は、赤いレバーを下げ、46回前後ポンピングする。80PSIを越えたあたりから底付き直前の抵抗が大きくなっていくが、さほど大きなものではないので、体重が60kg以上あれば問題なく続けられるだろう。
ゲージは160PSIまで。TLRタイヤを装着する場合、レッドゾーン(およそ11.5BAR)までチャージし、バルブにつないだら一気に解放する。
チャージ中の気圧は当然予備タンク内のものであり、それが160PSIだとしても、タイヤに対して160PSIが充填されるわけではない。Flow EX と Hans Dampf との組み合わせでは、ビードが上がり切った時点でおよそ30PSIを示した。
底面は金属である。板張りの床に直接設置して作業することは勧められない。段ボールを敷くなど養生を行った上で作業すべし。
質量は 2.85kg。Topeak JoeBlow Mountain が1.79kgなので、かなりのヘビー級だ。
pinkbike のレビューに対して、安いコンプレッサーと比較して買う価値がないというコメントが多いが、コンプレッサーを使える環境にいるのならそうすれば良い。論点がずれているので、そういった意見にはあまり意味がないと思う。
コンプレッサーの騒音振動が問題になるとか、置く場所もないといった場合にこのフロアポンプの出番が来る。出先で電源が確保できない場面も想定しているそうだ。
bikeradar のレビューはこちら。評点は 4.5/5.0 と絶賛しており、満点と行っても良いだろう。
シマノ様のクソペダル様を調整
PD-MX80というクソペダルを調整してみた。
このクソペダル、異音が発生する事例が私の周りでは多く(*1)、私の場合は2セットでどちらも不良品。1セット目は舗装路約30kmと山2回、2セット目は舗装路20km程度の走行でキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ鬱陶しく鳴り始めた。
(*1) ここでいう「多い」というのは「みんなが持ってるから買って」と親にねだる小学生の「みんなが~」という表現と同じで定量的根拠はない。
この方などは、不良として送ったら中古が返ってきたという(再送してようやく新品になったそうな)。世界のシマノ様に逆らってはいけない良い事例である。
1セット目はゴムシールが最初から割れていて、調整しているうちにちぎれてお亡くなりになった。こいつは補修パーツとして単体では購入不可能なため、ペダル軸全交換になる。まあ、左右セットで4000円くらいなので、2セット目がいかれたら考えてみよう。
分解例。2セット目は調整後いい感じなので、撮影のためにバラしたのは1セット目の左。3/32というちっこい鋼球を12個ずつセットする。
異音の発生源は玉押し調整不良である。出荷時に不適切な調整が行われた個体は、購入後まもなく異音が発生し始める。
ディーラーズマニュアル p8 には「軸ユニットをペダルに組み込むと回転部は締め付けられます。組み込み前は少し緩めに調整してください」とある。この辺を理解しないで組み立てているんだろう。
マニュアル通りに調整したところ、異音の発生はいったんなくなり、おまけにペダルの回転がかなり良くなった。つまり、出荷時の玉押しはかなりきつめに行われているということである。
しばらく乗ってみないと分からないが、1セット目は調整後に1,000km程度走行して問題なかったので、今回もおそらく大丈夫だろう。
そもそも、玉押し調整って微妙な力加減が必要な作業なんだが、こんな安ペダルにカップ&コーンを採用して良かったのか?上位グレードのハブはロックナットから外部の締め付けに影響されない仕組みになっているそうだが、このペダルはマニュアルにあるとおり、後続の手順における影響度合いを見越した上で玉押し調整をしておく必要がある。面倒くさい。
運が悪かっただけかもしれないが、手元の不良品率が100%なので、なんでもカップ&コーンにしたがるシマノの姿勢には疑問しか感じない。やるんだったら、ユーザーがディーラーマニュアル読んで調整するなんてアホなことがないようにしておけってんだ。
[2014.09.03 追記]
本日時点でまだ山を走っていないが、ノイズ再発はなし。回転も大変に良く、特に言うことのない状態である。ダブルナットの締結トルクが不足している可能性があるので、しばらく様子見、問題なければ「元」クソペダル様になるだろう。なって欲しい。
[2014.09.09 追記]
土曜に山を走ったら、ほんの30分くらいでまたキチキチキチキチキチキチ。相変わらずのクソペダルっぷりだ。帰宅後に専用工具を使って指定トルクで締結。コンクリの土手をギア比高めでガンガン踏み込んで登ったところでは問題ないが、山を走るのはまた違うのでまだ油断できない。
このクソペダル、異音が発生する事例が私の周りでは多く(*1)、私の場合は2セットでどちらも不良品。1セット目は舗装路約30kmと山2回、2セット目は舗装路20km程度の走行でキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ鬱陶しく鳴り始めた。
(*1) ここでいう「多い」というのは「みんなが持ってるから買って」と親にねだる小学生の「みんなが~」という表現と同じで定量的根拠はない。
この方などは、不良として送ったら中古が返ってきたという(再送してようやく新品になったそうな)。世界のシマノ様に逆らってはいけない良い事例である。
1セット目はゴムシールが最初から割れていて、調整しているうちにちぎれてお亡くなりになった。こいつは補修パーツとして単体では購入不可能なため、ペダル軸全交換になる。まあ、左右セットで4000円くらいなので、2セット目がいかれたら考えてみよう。
分解例。2セット目は調整後いい感じなので、撮影のためにバラしたのは1セット目の左。3/32というちっこい鋼球を12個ずつセットする。
異音の発生源は玉押し調整不良である。出荷時に不適切な調整が行われた個体は、購入後まもなく異音が発生し始める。
ディーラーズマニュアル p8 には「軸ユニットをペダルに組み込むと回転部は締め付けられます。組み込み前は少し緩めに調整してください」とある。この辺を理解しないで組み立てているんだろう。
マニュアル通りに調整したところ、異音の発生はいったんなくなり、おまけにペダルの回転がかなり良くなった。つまり、出荷時の玉押しはかなりきつめに行われているということである。
しばらく乗ってみないと分からないが、1セット目は調整後に1,000km程度走行して問題なかったので、今回もおそらく大丈夫だろう。
そもそも、玉押し調整って微妙な力加減が必要な作業なんだが、こんな安ペダルにカップ&コーンを採用して良かったのか?上位グレードのハブはロックナットから外部の締め付けに影響されない仕組みになっているそうだが、このペダルはマニュアルにあるとおり、後続の手順における影響度合いを見越した上で玉押し調整をしておく必要がある。面倒くさい。
運が悪かっただけかもしれないが、手元の不良品率が100%なので、なんでもカップ&コーンにしたがるシマノの姿勢には疑問しか感じない。やるんだったら、ユーザーがディーラーマニュアル読んで調整するなんてアホなことがないようにしておけってんだ。
[2014.09.03 追記]
本日時点でまだ山を走っていないが、ノイズ再発はなし。回転も大変に良く、特に言うことのない状態である。ダブルナットの締結トルクが不足している可能性があるので、しばらく様子見、問題なければ「元」クソペダル様になるだろう。なって欲しい。
[2014.09.09 追記]
土曜に山を走ったら、ほんの30分くらいでまたキチキチキチキチキチキチ。相変わらずのクソペダルっぷりだ。帰宅後に専用工具を使って指定トルクで締結。コンクリの土手をギア比高めでガンガン踏み込んで登ったところでは問題ないが、山を走るのはまた違うのでまだ油断できない。
ついにクランクにXTR様を導入
WolftoothかChromagなら見栄えがもっと良いはずだ |
ただし、サナで販売しているのは化粧箱入りの新品だが、UKから届いたものは緩衝材にくるんだだけのOE品だ。その旨一切説明がないのは不適切だが、特に目立った傷がないので良し。
できの良いクランクにできの良いチェーンリングが付属しているが、今まで通りとてもダサいHopeのRetainer Ring(34T)に交換。
そしてこれが、FC-M785とY1LR98030(38T)/Y1LR26000(26T)を組み合わせた誤ったニコイチだ。高級感のあるXTRチェーンリングが、黒のXTクランクと組み合わせることによってかなり残念な印象になる。
これはひどい |
一応、これがバラす前の「正しい」クランクセット「FC-M980-2」である。
これは美しい |
FH-M985
シマノのカタログによると、18ノッチ2ポールのクイックエンゲージメントとなっているが、それだと爪1個で全負荷を支えることになるので、いくら何でも無理だろ。解説図ではロード用が2ポール、MTBはその倍となっている。意味分かんないからちゃんと書いてくれ。
試走完了
この異音は後日、原因がペダルだったことが判明。Answer Rove FRで、2011年に購入してから一度も分解清掃をしていなかったのが悪いのだが、使用期間はだいたい2年くらい、補修部品は手元にあるので、ソケットレンチを買わないと。でも Spank Ooozy ペダルが欲しい。
トレールヘッドまでは50PSIくらいでやたらとよく進んだ。Maxxis タイヤを使うのはずいぶん久しぶりだが、前後とも少々ひん曲がっている以外は割と良い印象。リアは Minion DHR II で、Nobby Nic Trail Star と比べてややグリップが弱い印象。フロントは High Roller II で、Magic Mary みたいにタイヤに頼り切った走り方はできなさそうだ。
TLRのセットアップにかなり手こずったため、低圧にすると「白い液ブシュー」になるんじゃないかとちょっと心配だったが、25PSIでいつものいい感じに。HTはサグを多めにし、このくらいの空気圧で乗るのが良さそうだ。
来週の長瀞はもう少しハードに走ることになるので、そこで問題なければ今回のDIYは成功ということになる。
本日、登り始めで出会ったヨシ課長のFOESフルサス。なんか色々とパーツが変わっていたが、やっぱ青のフレームは良いなあ。
ホイールを組み立ててみた
梅雨が明ける直前にブツがそろったので、とりあえずこれを、
このようにした。
先のDVDでは、スレッドを1山だけ残すという手順になっているが、すぐに抜けない程度までねじ込む程度にする。リアは左右の差が大きいし、シマノハブはフランジに角度が大きめにつけてあるので、この程度にしておかないと先に取り付けた方のスポークがニップルから飛び出し、反対側は逆にスレッドが余ることになる。実際にそうなり、すべてバラす羽目になった(「難しい作業はない」と書いておきながらこういうこともある)。
ホイール組みとは直接関係ないが、チューブレスレディで使う場合はなかなか手強い。Spank のリムは、OohBah という断面が "W" に似た形状で、通常のTLRリムとはだいぶ異なる。スリーブジョイントということもあり、溶接リムのようなおおざっぱな扱いではエア漏れが止まらない。
最初は Stan's のイエローテープ(25mm)を貼り付けてみたが、スポークホールを塞ぐだけの貼り方をしたため、1時間で20PSIほどのエア漏れが。フロントは特にリムの継ぎ目からも漏れている。Spank 純正のテープはCRCで評判がひどかったため敬遠していたが、Spank に問い合わせたところ、やはりそれを使った方が良いとの回答だった。
Spank の Brand Manager である Mike 氏によると、テープは純正じゃなくても、そこらで売っているポリイミドテープを使えば良いとのことで、早速注文。30mで2000円もしない価格で手に入った。
このテープは強度・耐熱性・絶縁性に優れる性質を生かし、精密機器に使用するために開発されたもので、デュポン(日本法人:東レ・デュポン)では「カプトン」として商標登録・販売している。
このテープは American Classic で使っているのを見たことがあったが、こんなに薄いものとは想像していなかった。この薄さは、今回使ったリムには特に有効で、"Bead Bite" である3本の溝を残したまま気密性を確保できる点にある、らしい(Mike氏による)。
とまあ、こんな感じにできあがった。
スポークの色使いについては私の独創ではなく、アメリカの Wheelbuilder.com が販売している製品写真を参考にした(ていうかほぼ丸パクリ)。Wheelbuilder.com の製品写真は非常にセンスの良い配色が目を引く。日本の手組ホイールにもこれくらいのデザイン力が欲しい。
黒28本に白4本。白はパウダーコーティングらしく、通常のペイントより強度はあるが、綾を取ったスポークと擦れ合うことで剥離する。黒の方は剥げない。ガレ場で石がガンガン当たればそれなりに地肌が見えるが、すぐ剥げるとか傷だらけで見苦しくなるというような弱さではない。従って値段を気にしないのなら、あえて無塗装を選択する意味は全くない。どうせMTB、傷が付きやすい部分に傷が付くのを気にするのなら床の間にでも飾っておけば良かろう。
TLRのセットアップにかなり苦労したリムだが、最初から Mike 氏に質問しておけば良かったと反省。こちらの5行くらいの問い合わせに対し、毎回20行以上の長い返信をくれる良い人だ。mtbr のフォーラムによく参加したりと、自社のブランドイメージ維持・向上に抜かりのない できる人物とみた。
このようにした。
- 事前学習
まずはホイール組の達人DVDをもう一度見直す。これは3年前に購入し、途中で挫折したものだ。その他、ネットで調べられるだけの情報は手に入れる。 - スポーク長
スポーク長計算は定番のDT Swiss の Spokes Calculator。
面倒くさい計算はこいつがやってくれるのだが、ハブの寸法がシマノの取説やサイトを見ても分からない。ノギスではかればいいのだが、直角を出すのが大変下手くそなのでネットで見つけたものを入力。
ERDは、Spank の製品仕様から。Spank では、"ERD++"という表記を用いており、これはリム内径+リム厚みを指す。従って、今回使用したリムの "ERD++" が 528mm なので、ニップルヘッド長(1.5mmx2)を加算して531mmとなった。
ニップルヘッドは、リム表面からニップルの溝底面までの長さ。リムは二重構造になっているため、ニップルをリムに差し込んだ状態では容易に計測できないので、ちょうど良い穴の開いた定規にニップルを差し込んで計測した。写真のニップルは Sapim Secure Lock(SILS)
これで前後とも3クロスとするので、258mm/260mmを買えば良いことが分かった。 - スポーク
強度と質量のバランスが良い DT Swiss Competition に決定。白ベースに黒を入れたかったのだが、白の価格が非常に高い(250円弱/本)こと、また、スポーク同士の接触により塗装が剥離するということだったので、黒ベースに白を入れることにした。 - ニップル
ニップルはは、緩み止め塗布済みの DT Swiss Pro Lock(真鍮製)に決定。潤活用にシリコーングリスを塗りたくる。 - ハブ
Shimano HB-M988とFH-M985を選択。カップ&コーンを試してみたかったのと、Ice-Tech Freeza を使いたかったため。いい加減、シマノは6穴で最上級グレードのローターを出せってんだ。センターロックが使えるハブなど、DT Swiss くらいしか知らん。 - 工具について
振れ取り台は Park Tool の TS-2.2、センターゲージは同じくWAG-4、ニップル回しは何かの通販で無料提供された DT Spokey 旧型。スポークテンションメーターもPark Tool のTM-1。バテッドスポークの計測は目安にしかならないが、そもそも精度が低いツールなので相対値を見るだけなら十分。
フロントが15TAで、振れ取り台のQRアダプタがなかった。NukeproofのQRアダプタを試したがシマノのハブには入らなかったので、15TAを差し込んで回避。Hopeでも使えたのだが、Shimano とは相性が悪いようだ。 - 編み方
シマノ推奨方式に従い、フロントはいわゆる「逆イタリアン」、リアは「JIS」にした。
先のDVDでは、スレッドを1山だけ残すという手順になっているが、すぐに抜けない程度までねじ込む程度にする。リアは左右の差が大きいし、シマノハブはフランジに角度が大きめにつけてあるので、この程度にしておかないと先に取り付けた方のスポークがニップルから飛び出し、反対側は逆にスレッドが余ることになる。実際にそうなり、すべてバラす羽目になった(「難しい作業はない」と書いておきながらこういうこともある)。
ホイール組みとは直接関係ないが、チューブレスレディで使う場合はなかなか手強い。Spank のリムは、OohBah という断面が "W" に似た形状で、通常のTLRリムとはだいぶ異なる。スリーブジョイントということもあり、溶接リムのようなおおざっぱな扱いではエア漏れが止まらない。
最初は Stan's のイエローテープ(25mm)を貼り付けてみたが、スポークホールを塞ぐだけの貼り方をしたため、1時間で20PSIほどのエア漏れが。フロントは特にリムの継ぎ目からも漏れている。Spank 純正のテープはCRCで評判がひどかったため敬遠していたが、Spank に問い合わせたところ、やはりそれを使った方が良いとの回答だった。
このテープは強度・耐熱性・絶縁性に優れる性質を生かし、精密機器に使用するために開発されたもので、デュポン(日本法人:東レ・デュポン)では「カプトン」として商標登録・販売している。
このテープは American Classic で使っているのを見たことがあったが、こんなに薄いものとは想像していなかった。この薄さは、今回使ったリムには特に有効で、"Bead Bite" である3本の溝を残したまま気密性を確保できる点にある、らしい(Mike氏による)。
とまあ、こんな感じにできあがった。
スポークの色使いについては私の独創ではなく、アメリカの Wheelbuilder.com が販売している製品写真を参考にした(ていうかほぼ丸パクリ)。Wheelbuilder.com の製品写真は非常にセンスの良い配色が目を引く。日本の手組ホイールにもこれくらいのデザイン力が欲しい。
黒28本に白4本。白はパウダーコーティングらしく、通常のペイントより強度はあるが、綾を取ったスポークと擦れ合うことで剥離する。黒の方は剥げない。ガレ場で石がガンガン当たればそれなりに地肌が見えるが、すぐ剥げるとか傷だらけで見苦しくなるというような弱さではない。従って値段を気にしないのなら、あえて無塗装を選択する意味は全くない。どうせMTB、傷が付きやすい部分に傷が付くのを気にするのなら床の間にでも飾っておけば良かろう。
TLRのセットアップにかなり苦労したリムだが、最初から Mike 氏に質問しておけば良かったと反省。こちらの5行くらいの問い合わせに対し、毎回20行以上の長い返信をくれる良い人だ。mtbr のフォーラムによく参加したりと、自社のブランドイメージ維持・向上に抜かりのない できる人物とみた。
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