ドロッパーポストは、一度使うとドロッパーポストにはもう戻れない

本体のみ

先日、ふじてんでは使う機会がないからと、一時的に固定シートポストに戻したMJさんをまねて Thomson Elite が復活。
車体の中心付近が増えるのだから、大して差はないだろうと思っていたが、Elite に交換して走り出したときの、驚きの軽さ。31.6mm x 約335mm で211g(カット後の質量、初期は357mmで223g)。Brand-X は686g(本体617g, ハウジング・ワイヤー・レバーの合計が71g)で3倍以上、475g差。話にならない。

一度使うともう戻れないというのは本当だった。二度とドロッパーポストに戻ることはないだろう。トラベル125mmで本体+レバー+ハウジング+ワイヤーの合計が300gくらいになったら再検討する予定。

使う場面は、誰かと一緒に走っていて、下りの先に下りを挟んだ長めの登りが続くとき。いちいち降車しているとその人を待たせることになるので、乗ったまま速やかにサドルの高さを変える。
あるいは、一人で走るときに、降車によってペースを崩したくないとか。
しかし、登は好きではないし、そもそも登りが得意な人と走る機会がほとんどないため、そういう希な状況のためにクソ重い装置を付けておく意味はない。長瀞ツアーの登り返しでも、立ちこぎの方が圧倒的に楽で、ほぼ1日中ベタ下げのままだったし。

登りを降車して押し上げるばかりの人もドロッパーポストを入れてたりするけど、あれは何だろうか。固定ポストは格好悪いとかそんな感じ?

自分は、長い登りの前は休憩を取りたい。某MTB雑誌ではサドル高変更を「儀式」とか意味の分からない単語を使って由なく蔑んでいる傾向があるけど、自分にとってはただの休憩。これから始まる嫌な登りの前にグダグダ休みつつ栄養や水分を補給したり現実逃避したいだけ。

登り返しは下りの勢いを生かしつつ、フロントタイヤを木の根等にぶつけて反発力を利用し、なるべく漕がないように走ると結構楽なんだけど、そういうやり方だと全走者との距離が詰まることが多い。たいていの人は急激に減速し、後は自力で頑張る、みたいな。

Thomson Elite は製品の精度も良いし、見た目も上質。軽くて強度があり非常に快適。Thomson Elite 最高!

油圧ディスクブレーキとか、チューブレスレディタイヤなんかと比べると、ドロッパーポストから受ける恩恵(?)は種類が違う。指1本で適切な制動ができるブレーキ、低圧でパンクしにくく軽いタイヤ/リムというのは自分にとっては代えがたい。
ドロッパーは?と考えると、極端な増量や鬱陶しいワイヤー追加等と引き換えに得られるものが少なすぎるし、それが得られなくても何も困らない

なんだろう、これ?MTB以外でも似たようなものがあったような気がするが、思い出せない。


まあ、こんなことを言っていると、また気でも狂ったか、あるいは相変わらず偏屈なべらぼうが寝言を抜かしてやがる、と思われるのかもしれないけど、自分一人くらいドロッパーポストを使わなくても、自転車業界は何も困らないので良いだろう。ここに書いてあることを真に受けて、反ドロッパーポスト大運動が発生する、なんて事態には絶対にならないし。

ちなみに今は SDG の I-Beam ポスト/サドルに変えてさらに軽量化、このせいでサドルの在庫がまずいことに...。

そしてスプリングがデボネアに

納期8月の予定が、予想外の早さでデボネアシャフト(00.4019.931.008)が到着。先日ダンパーを Charger 2 に交換したが、こちらの方が圧倒的に効果がありそう。初期抵抗が著しく減るし、メーカーの謳い文句通りの性能(小さな突き上げもなめらかに吸収する)が期待できる。ダンパーなんか交換するんだったら、エアシャフトをデボネアにした方がよっぽど良い。出費も1/5位だし。
追加の効果として、スナップリングの取り付けが非常に楽になったのがうれしい。

交換前のシャフト。7gの減量となった。

まだ舗装路・コンクリ階段の試走だけで実走もしてないのに、早くも結論。DebonAir(約5千円) シャフトへの交換は超おすすめ、Charger 2(約2万5千円) はやめておけ。
こんな簡単に retroactive upgrade ができちゃうパーツを売ってると、新製品が売れなくなるんじゃないか?

MY 2014以降のPike Solo Air を持っていて、さらなるヌルヌルを欲しい人は、シャフト交換はやった方が良い。上に書いたように、自分でやれば5千円ちょっと、店に頼んでも工賃プラスでOKだろう。
もちろん、自分でやるには、オイルや色々な工具をそろえる必要があるので、新たに買うとなるとそれだけで1万円を超えてしまうが(Knipexに手を出す場合)。

ソルダリングかクリンピングプライヤーか、電動工具か手磨きか

ワイヤーの終端始末は、Knipex のワイヤーロープカッター 9561190 を使って、エンドキャップを良い感じにかしめている。しかし、RDのように飛び出しを短くしたい場合、先の工具では少々やりづらい。

世間一般ではソルダリングが昔ながらの方法で、これは私も非常に良いと思っているが、なんとなくエンドキャップでやりたいという気持ちが勝つ。そうすると、スリーブ用クリンピングプライヤーが使いやすそうで、このシリーズから選ぶことになる

しかし、一番安いものでも5,000円前後、たかがエンドキャップのためにそんな金を出す意味があるのか?

そしてまた、このようにISCG5タブを磨いてみたり、
シートチューブを磨いてみたり。
そんなことをしているとポリッシャーないしディスクサンダーが欲しくなる。チューブの方は割と磨きやすいが、ISCG5タブは形状が複雑なためちょっと磨きづらい。
チタン合金はアルミ合金と違い、磨いて表面処理を行わなくても曇ることがないので磨き甲斐がある。しかし、摩耗しやすい金属とはいえ、アルミに比べるとなかなかしんどい。

Charger 2 に入れ替え

DebonAir アップグレードキットを注文し、納期が6月ということで、先に購入しておいた Charger 2 ダンパーとの交換をしばらく待つつもりでいたものの、昨晩「8月頃」に変更になったため、急遽入れ替えを実施。
3ポジション調整は、柔い→柔い→硬いに変わった。おそらくOpen以外で使用することはないため、この交換による直接の効果は薄いが、意外な軽量化があった。
これが元々インストールされていた Charger Damper 。
そしてこれが Charger 2 。60g近い差である。部品点数が減っており、また、取り付けにロックリング工具を使用する点も良い。スプリング側は MRP Ramp Control で、こちらはすでにロックリング対応済み。六角ソケットは割となめやすいのでこういう合理的な変更はありがたい。

舗装路で試走したところ、トップアウトの感触が変わった。他にCharger2 のフォークを試したことがないのでよく分からないが、先代より手に伝わる衝撃が若干増した印象である。

ふじてん2回目

今回も、MicJさんにお世話になってふじてんへ。

午前中に7本、午後に5本。前回は大分無理をしていたので、今回は、なるべくのろいペースを維持しつつ、できるだけ前方を見て視野を広く撮ることを意識してみた。
前半は前回と同様、MJさんに先導いただき(姿を見失い)、途中で1mmも上らない方にNBルートを(相当に)のろいペースでレクチャーして頂いた。
教えてもらえばそりゃそうだ、というような話なんだが、そういった細かなライン選びが想像できなかった自分に反省する。

午後、ファットバイクの人が、LWのジャンプでクラッシュしたようで、コース上に横たわっているところがリフトから見えた。ヘリコプター搬送になったが、どうか大事に至らず、早い回復を願うばかりだ。
自分はここを飛ぶ技術がないため、徹底的になめて走行しているが、そのうち調子に乗って(軽く)飛んだりすると同じ目に遭う可能性が高いので肝に銘じておく。

で、この日もフロントからのチェーン落ちは皆無。

帰宅後、ちょうど頼んでいたものが届いていたので、翌日組み付け。
BCD88なんてのは選択肢が少なすぎるので、いったん FC-M980に入れ替え、Hope Single Chainring を試してみることに。
これは、スタビライザー付きRDだけでなく、チェーンガイドとの併用を推奨しているため、チェーンガイドなしだと外れる可能性がある。
チェーンが脱落し、クランク側へチェーンが絡まるとRDに異常な負荷がかかって壊れることもある。
高校の頃、技術の稚拙な偽メカニックの店でロードバイクを購入した結果、通学途中でフロントをアウターへシフトした際にチェーンが外れ、その日は通学DNFとなったことがあった。ああいうバカな人間は、二度と商売で自転車には関わらないでほしい。あんな低レベルの技術で他人様から金を取るなんて、本当にふざけた話だ。

ということで、クランクセット/チェーンリングの交換はしたが、ふじてんのダメージが体に残っているため試走は延期。鍛え方が足りぬ。

XTR 9100

[2019.02.01]
Scylence ハブは発売しない。
Update: What's Going On With Shimano's New XTR Group?

新製品についての投稿は、単なる一時的なページビュー稼ぎになるだけで、後で見てもほとんど役に立たなくなるので最近はあまりやってない。

XTR 9100 シリーズが発表され、自分はSram X01 Eagle でいいか、という結論に至った。

pinkbike のこちらの記事から、価格比較をExcel使って簡単に作成。
USでのMSRPベースではほぼ同じ。DUBが出たためにGXPクランクセットがかなり安くなっているので、海外販売価格ベースではX01 Eagle がかなり安いが、現時点では比較する意味がないので除外。
また、フロントシングル前提なので、クランクセット or チェーンリングは好きなものを使えば良い。無理に Sram/シマノ純正にこだわる必要はない。
自転車の顔みたいな位置を占める部品だけど、ガチXCレーサーでもない限り、フロントシングルで性能差を感じることはないので、クランクセットなしで得られる価格差を取りたい。
「XTR様ならXX1だろ!」という声は聞かなかったことにする。

今回の目玉だと自分が思っているのはフリーハブ。12s導入に当たって、フリーハブボディの互換性を切り捨てただけでなく、先般発売を見送ったSCYLENCEフリーハブも採用したことに驚いた。フリーハブ機構が動作している間、ラチェットとの接触がなくなり、ほぼ無音になるらしい。
自分は街中での自走もあるので、ラチェット音はでかければでかいほどよいため、Hope か DT(54T) のものを使いたい。CKやi9は値段がクソ高いので不要。

Micro Spline フリーハブボディは、DT Swiss 限定でライセンス供与をしているらしいが、DTがStar Ratchetで技術協力したとか?この辺は全く不明。正式に互換性のある製品は、今のところDTしかない。今後、Micro Spline を採用するハブ/ホイールメーカーは増えるはず。でないと、シマノ12sはシマノかDTでしか使用できず、せっかく気合いを入れて出した12sが全然売れない事態になる。

クランクセットはダイレクトマウント方式に。先代で不等ピッチ4アームに変更して面倒くさくなったと思ったら、いきなり9100世代で廃止。外観は9100の方がずっと良くなった。スピンドルとリングの締結方法はセンターロックっぽく、薄くて径のでかいナットを使用する。

結局、6穴フリーザ様は今回もなし。設計はセンターロックの方がずっと良いが、シマノがライセンスのために金を要求するため(当然のことではあるが)、使えるハブが限定されている。

ブレーキは、まあどうでも良いか。レバーが2点支持できたり、キャリパーが4ピストンでホースが内側ルーティングになったとか。外観はなかなか好みなんだが、せっかくだから脱シマノを維持したい。

Charger Dumper(先代)のブリーディング

と、まあこんな感じの道具と消耗品を用意して、ロワーレッグのオイル交換とCharger Dumperのブリーディングを行なった。ついでにエアシャフトは買った時の150mmに戻し、サグをやや大目にとるよう圧を変更。

Charger Dumper はオープンバスとは異なり、エアの混入は厳禁。しかし、このビデオを見てからやると、意外と簡単にできる気になる。
たしかに、実際にやってみると、必要な工具を揃えてシリンジとシャフトを上下するだけ。カートリッジタイプであること、買ってからそれほど乗っていないことで、内部のオイルは赤いまま、エアの混入もなかった。
ロワーレッグのオイルは黒い細かいゴミが混じっていたので、やはりカートリッジタイプのオイルは劣化しにくいようだ。

もちろん、オーバーホールをする場合は、全部の部品をバラし、パッキンやらその他消耗品の交換が必要になるだろうけど、簡易的なメンテならオープンバスより簡単。
ただ、作業を始めてからスナップリングプライヤーの小(12mm..25mm)がないとリングが抜けないことに気づき、慌ててアストロまで買いに行ったたのはマヌケだったが。

ジョンとマック、./configure && make && make install とかLinux買ったんじゃねえぞ!
150mmにすると、同じサグ(20%くらい)では、ハンドルバーの位置が8mm上がるため、30%くらいを目標にスプリングのエア圧を落として見た。あいにくの雨でまだ舗装路での試走ができていないが、これくらい落とすとBBが高い感じが減るはず。 あまりに緩くするとボトムアウトしてしまうので、そこらへんはMRP Ramp Control(ボトムレストークン代用品)でなんとか調整してみよう。

油圧ディスクブレーキとかなんとかかんとか

油圧ディスクブレーキに関する個人的な感想を書いてみる。 輪行に難あり、または輪行は不可能という幻想 自分もVブレーキから移行した当初(2010年頃)はそう思っていたが、実際やってみると慣れの問題で、輪行は油圧ディスクブレーキを忌避するための決定的な要因にならない。 片道で1回と数...