リム交換

白黒の外見がなかなか気に入っていた Spank Oozy Trail 295 Bead Bite だが、TLR セットアップが非常に面倒くさいのと、長瀞2回でサイドが少々へこんだのとで、残念だが諦めることにした。
新しいリムは、Hope Hoops として購入したホイールセットをばらして外した Stan's NoTubes Flow Ex 。内幅 25.5mm で、500g前後のアルミリムとしてはかなり幅広のものになる。

「25.5mm」という仕様だけ見て幅が狭いと勘違いする人がたまにいるが、Flow EXの外幅は29.1mmである。様々なリムメーカーが外幅しか書いていなかったりすることが原因で、ETRTO ではどのサイズになるのかさっぱり分からないことがある。
ちなみに、Gee AthertonRachel Atherton が乗る 2015 GT Fury のホイールは、この ZTR Flow EX を使用している。

チューブレスに有効なのは幅広リム、もちろん内幅のことを指している。内幅が同じで外幅が広いリムは強度を稼ぐためにそうしている傾向がある。
3年前にこの記事を読んで以来、リムの内幅が気になるようになった。もっとも、タイヤ幅に対してリム幅が極端に広いと、今度はサイドが使えなくなり、自転車を倒した際に転倒しやすくなるのであるが。

今回は前回の経験から、いくつか事前準備の手順を増やした。具体的には、

  • リムに養生テープを貼る
    スポークの先端で引っかかってリムの塗装が剥げることを防止。
  • 白スポークに養生テープを貼る
    調整中の塗装剥離を防止。
  • 初期段階ではスポークがニップルから抜けない程度にする
  • テンションの高い方から張る
  • スポークプレップを塗ってみる
  • リムの設計容量上限近くまでテンションを上げる
といったもので、ホイールを組んだことがある人にはどうでもいい話だ。

また、ニップルには DT ではなく Sapim Secure Lock を使ってみた。それがどういったものかはリンク先を参照。DT はニップル内部に緩み止めをあらかじめ塗布するという手法で、Sapim はニップル自体の構造でスポークの緩みを防止しようとしている。


Hope Hoops の前輪にはなぜか DT Squorx っぽいものが使用されていた。

完成時の重量は、フロントが 858g、リアが968g 。前回より116g増しになった。確実なTLRセットアップが得られ、タイヤ制限がなくなると思えば、これくらいは我慢しよう。
計測に使用したのはタニタ デジタルクッキングスケール KD-177、いずれは 0.1g 単位で量れるものが欲しい。

で、フレームに取り付けるとこんな感じ。今ナタジゴさんのところにあるものとホイールの外観はほとんど変わらない、遠目には同じに見える。RockShox が赤白黒なので、これもまあ悪くはない。Maxxis の黄色いロゴが入ればまた違った印象になるかも。

Spank Spike Pedals

長瀞行ったりナタジゴさん・ヨシ課長に遊んでもらったり大学の友人を連れて行ったりと、今月は珍しく一人で走ることがなかったが、予報が良い方向に変わったので急遽いつものところへ。三脚を背負っているので、トレールヘッドからいきなり訓練場方面へ。一度下ったところを登り直すことがない分、少しだけ楽に走れる。

今回投入したのは、Spank Spike ペダル。クソペダル様がどうしてもお願いを聞き入れてくださらないので、いったんこちらを使ってみることにした。
左側の動きが購入当初から渋く、小さなノイズが発生している。走行時に気づくほどのものではないので、後日分解して確認してみよう。

ペダルレンチをかける隙間がないデザインで、靴がクランクアームに干渉するかと思ったが、踏面がかなり広いおかげで全く問題なかった。特に横方向に広いため、上り下りとも安定感・安心感がかなり上がった。交換パーツも容易に手に入りそうなので、長く使えれば非常に価値のあるペダルになりそう。
どこかの雑誌に「滑り止めプレート」などというでたらめが書いてあったが、そのようなものは付属しない。余分な回転を押さえるためのフリクションシールの意味が分からず勘違いしたのか?仕様を調べるまえに予算が底を突いたか。

いろいろ手間のかかるリムだが、しばらく使ってみるか。独特の形状が災いしてか、リムテープの内部にシーラントが漏洩しやすいようで、走行中にいきなり破裂するんじゃないかとタイヤを外すたびに冷や汗が出る。今のところそういった事例は聞いていないので、単にテープの巻き方が悪いだけだとしておこう。

現時点で、ハンドルバー(Oozy LTD)、リム(Trail 295 Bead Bite)、ペダル(Spike)の3点が Spank 製品でそろった。いずれも超高品質じゃないが、いくつかの部品が同じブランドでそろうのは何となく気持ちがいい。

Bontrager TLR Flash Charger

十分になじんだ Schwalbe Magic Mary を、Spank Trail 295 Bead Bite リムにはめようとしたが全くうまくいかず、素直で使いやすい Maxxis High Roller II EXO と、同じく Minion DHR II を使っている。だが、冬に流通に乗るはずの Nobby Nic Tubelsss Easy はやはり気になる。

ということで、コンプレッサーを物色していたのだが、動画で見る限り騒音が大変なもので、室内で使用するには問題が多すぎと感じた。また、場所も結構取りそうだし、もうリムを換えてしまおうかと思っている。

しかし、急にこのフロアーポンプを思い出したので、急遽ギロッポンのトレックストアで購入。Spank リムではまだ試していないが、Mavic Crossmax SXとStan's Notubes Flow EX では、折り癖の付いた新品の Hans Dampf が一発。数週間前にビードが上がらず諦めた組み合わせだ。これなら、買ったその日にいきなり使うこともできるのでは?

これに気をよくして挑んだ難関の Spank リムであるが、Flow EX で使っていた Magic Mary は問題なく装着できた。しかし、同じ期間使用した Nobby Nic は3回やっていずれも失敗。同じことをして異なる結果が出ると思うのは明らかに誤りなので、きれいに巻けていたポリイミドテープを剥がし、Stan's のイエローテープに交換。すると、嘘のように1回でビードが上がった。ただ、フロントに比べると若干エアリークが多めなので、完璧な状態ではなさそうだ。

追加情報は(あれば)後日。

値段が高めであるため、すべてのTLRユーザーに試してみる価値はある、とはなかなかいえない。失敗したリム+タイヤを持ち込んで試せれば良いのだが、そんなサービスやってる店はあるんだろうか?
でも、製品自体はかなり良くできているし、生産国は安心と信頼の台湾だ。


ヘッドには気圧調整弁がないため、本体の赤いボタンを使用する。

チャージする場合は、赤いレバーを下げ、46回前後ポンピングする。80PSIを越えたあたりから底付き直前の抵抗が大きくなっていくが、さほど大きなものではないので、体重が60kg以上あれば問題なく続けられるだろう。

ゲージは160PSIまで。TLRタイヤを装着する場合、レッドゾーン(およそ11.5BAR)までチャージし、バルブにつないだら一気に解放する。
チャージ中の気圧は当然予備タンク内のものであり、それが160PSIだとしても、タイヤに対して160PSIが充填されるわけではない。Flow EX と Hans Dampf との組み合わせでは、ビードが上がり切った時点でおよそ30PSIを示した。


底面は金属である。板張りの床に直接設置して作業することは勧められない。段ボールを敷くなど養生を行った上で作業すべし。

質量は 2.85kg。Topeak JoeBlow Mountain が1.79kgなので、かなりのヘビー級だ。


pinkbike のレビューに対して、安いコンプレッサーと比較して買う価値がないというコメントが多いが、コンプレッサーを使える環境にいるのならそうすれば良い。論点がずれているので、そういった意見にはあまり意味がないと思う。
コンプレッサーの騒音振動が問題になるとか、置く場所もないといった場合にこのフロアポンプの出番が来る。出先で電源が確保できない場面も想定しているそうだ。

bikeradar のレビューはこちら。評点は 4.5/5.0 と絶賛しており、満点と行っても良いだろう。

シマノ様のクソペダル様を調整

PD-MX80というクソペダルを調整してみた。

このクソペダル、異音が発生する事例が私の周りでは多く(*1)、私の場合は2セットでどちらも不良品。1セット目は舗装路約30kmと山2回、2セット目は舗装路20km程度の走行でキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ鬱陶しく鳴り始めた。

(*1) ここでいう「多い」というのは「みんなが持ってるから買って」と親にねだる小学生の「みんなが~」という表現と同じで定量的根拠はない。
この方などは、不良として送ったら中古が返ってきたという(再送してようやく新品になったそうな)。世界のシマノ様に逆らってはいけない良い事例である。

1セット目はゴムシールが最初から割れていて、調整しているうちにちぎれてお亡くなりになった。こいつは補修パーツとして単体では購入不可能なため、ペダル軸全交換になる。まあ、左右セットで4000円くらいなので、2セット目がいかれたら考えてみよう。

分解例。2セット目は調整後いい感じなので、撮影のためにバラしたのは1セット目の左。3/32というちっこい鋼球を12個ずつセットする。

異音の発生源は玉押し調整不良である。出荷時に不適切な調整が行われた個体は、購入後まもなく異音が発生し始める。
ディーラーズマニュアル p8 には「軸ユニットをペダルに組み込むと回転部は締め付けられます。組み込み前は少し緩めに調整してください」とある。この辺を理解しないで組み立てているんだろう。

マニュアル通りに調整したところ、異音の発生はいったんなくなり、おまけにペダルの回転がかなり良くなった。つまり、出荷時の玉押しはかなりきつめに行われているということである。

しばらく乗ってみないと分からないが、1セット目は調整後に1,000km程度走行して問題なかったので、今回もおそらく大丈夫だろう。

そもそも、玉押し調整って微妙な力加減が必要な作業なんだが、こんな安ペダルにカップ&コーンを採用して良かったのか?上位グレードのハブはロックナットから外部の締め付けに影響されない仕組みになっているそうだが、このペダルはマニュアルにあるとおり、後続の手順における影響度合いを見越した上で玉押し調整をしておく必要がある。面倒くさい。

運が悪かっただけかもしれないが、手元の不良品率が100%なので、なんでもカップ&コーンにしたがるシマノの姿勢には疑問しか感じない。やるんだったら、ユーザーがディーラーマニュアル読んで調整するなんてアホなことがないようにしておけってんだ。


[2014.09.03 追記]
本日時点でまだ山を走っていないが、ノイズ再発はなし。回転も大変に良く、特に言うことのない状態である。ダブルナットの締結トルクが不足している可能性があるので、しばらく様子見、問題なければ「元」クソペダル様になるだろう。なって欲しい。

[2014.09.09 追記]
土曜に山を走ったら、ほんの30分くらいでまたキチキチキチキチキチキチ。相変わらずのクソペダルっぷりだ。帰宅後に専用工具を使って指定トルクで締結。コンクリの土手をギア比高めでガンガン踏み込んで登ったところでは問題ないが、山を走るのはまた違うのでまだ油断できない。

ついにクランクにXTR様を導入

WolftoothかChromagなら見栄えがもっと良いはずだ
いままでクランクだけはずっとXTだったんだが、不良在庫処分価格の誘惑に負けてしまった。シマノ製品は日本国内で買うのが一番だが、ごくたまにUKでこのような投げ売りがあるので危険だ。そのときは若干円高に振れていたので、請求額は3万円を切った。サナと比較してもさらに安い。

ただし、サナで販売しているのは化粧箱入りの新品だが、UKから届いたものは緩衝材にくるんだだけのOE品だ。その旨一切説明がないのは不適切だが、特に目立った傷がないので良し。

できの良いクランクにできの良いチェーンリングが付属しているが、今まで通りとてもダサいHopeのRetainer Ring(34T)に交換。


そしてこれが、FC-M785とY1LR98030(38T)/Y1LR26000(26T)を組み合わせた誤ったニコイチだ。高級感のあるXTRチェーンリングが、黒のXTクランクと組み合わせることによってかなり残念な印象になる。
これはひどい
インナーのY1LR26000は互換性がないため、FC-M980以外のクランクと組み合わせると、ミドルとインナーの間にチェーン落ちが発生する。

一応、これがバラす前の「正しい」クランクセット「FC-M980-2」である。
これは美しい
980系のXTRクランクは3種類あるが、ダブルのこいつが一番いい面構えをしている。トリプルの980は手裏剣の主張が強すぎるし、XCレース指向の985はボルトがずいぶんと野暮ったい。

FH-M985


FH-M985 の音。昔の製品はもっと静かだったような気もするが、Hopeとかの爆音ハブに比べるとだいぶおとなしい。
シマノのカタログによると、18ノッチ2ポールのクイックエンゲージメントとなっているが、それだと爪1個で全負荷を支えることになるので、いくら何でも無理だろ。解説図ではロード用が2ポール、MTBはその倍となっている。意味分かんないからちゃんと書いてくれ。

試走完了

色々あったが、ようやくセットアップが完了し、試走も問題なく終えた。Hope Hoops とか、プロが組んだものと比べるとスポークテンションが低めだが、いつものところを走ったところでは特に問題なし。BBあたりから出ている異音が気になったが、これはホイール交換前からなので、クランクかBBあたりに何か問題があるんだろう。フロントを34Tにして長瀞を走った後からだ。そのときのホイールはHope Hoops SP(Stan's Flow EX)、リアに40T-Rex を入れた初回。

この異音は後日、原因がペダルだったことが判明。Answer Rove FRで、2011年に購入してから一度も分解清掃をしていなかったのが悪いのだが、使用期間はだいたい2年くらい、補修部品は手元にあるので、ソケットレンチを買わないと。でも Spank Ooozy ペダルが欲しい。



トレールヘッドまでは50PSIくらいでやたらとよく進んだ。Maxxis タイヤを使うのはずいぶん久しぶりだが、前後とも少々ひん曲がっている以外は割と良い印象。リアは Minion DHR II で、Nobby Nic Trail Star と比べてややグリップが弱い印象。フロントは High Roller II で、Magic Mary みたいにタイヤに頼り切った走り方はできなさそうだ。

TLRのセットアップにかなり手こずったため、低圧にすると「白い液ブシュー」になるんじゃないかとちょっと心配だったが、25PSIでいつものいい感じに。HTはサグを多めにし、このくらいの空気圧で乗るのが良さそうだ。
来週の長瀞はもう少しハードに走ることになるので、そこで問題なければ今回のDIYは成功ということになる。

本日、登り始めで出会ったヨシ課長のFOESフルサス。なんか色々とパーツが変わっていたが、やっぱ青のフレームは良いなあ。

油圧ディスクブレーキとかなんとかかんとか

油圧ディスクブレーキに関する個人的な感想を書いてみる。 輪行に難あり、または輪行は不可能という幻想 自分もVブレーキから移行した当初(2010年頃)はそう思っていたが、実際やってみると慣れの問題で、輪行は油圧ディスクブレーキを忌避するための決定的な要因にならない。 片道で1回と数...